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埼玉富士

埼玉富士

>今年は電気自動車(EV)元年といわれている。日産自動車が一般向けに量産を始めるのがその根拠だが、目を凝らせば、EVを普通の乗り物として定着させようとの取り組みは草の根レベルでもう始まっている。
例えば、新潟県長岡市に住む本田昇さん(63)の「ちょい乗りEV」は大手メーカーではなかなかできない、興味深い試みだ。
埼玉県秩父市にある電気部品メーカー、埼玉富士(堤繁社長)。1月15日に完成したEVの試作車第1号は新車でなく、中古車をベースにした改造車だった。
まずエンジンをはずし、モーターやコントローラー、バッテリーを取り付ける。バッテリーは12ボルトの鉛電池が8個。充電時間は8時間という。走行距離は約40キロと、自動車大手のEV(200キロ前後)からみれば力不足だ。
しかし、埼玉富士は最初から大手と張り合おうとはしていない。同社のEVはセカンドカー。買い物や届け物、農作業などに「ちょっと」行くときの「ちょい乗り車」だと考えている。
改造費用を合わせた車の値段はいまのところ120万〜130万円。
「改良を加え100万円以下にすれば、地域の足になるのも夢ではない」と話すのは、同社に改造のノウハウを伝授した、仕掛け人の本田昇さんである。
本田さんが埼玉富士の堤朗会長(76)と意気投合したのは昨年秋。長岡で実際に改造EVを製造している本田さんから車検を取った際の苦労話や、ようやく地域で理解が広がりつつある現状などを聞いて、「関東でもやってみよう」と堤会長が思ったのだそうだ。
実は、本田さんは同じような草の根のEV普及活動をあちこちで展開している。東京や広島など、最近は全国から電気自動車や改造ノウハウについて教えてほしいとの要請があり、飛び回る毎日だ。
ミミズの養殖、携帯基地局向けの部品製造などを手掛けてきた本田さんは、あくまで一個人での活動にこだわる。
車については数年前まで全くの素人で、米国から取り寄せたという改造キットの設計図とにらめっこしながら独学でここまで来た。
最近、自宅近くに工房を自らの設計と施工で完成し、寝る間も惜しんで改造EVをつくり続ける。どうやったら改造EVの事業モデルを全国に広げられるか、どうしたらもっと低価格にできるかなどをいつも考え、目を赤くはらしながら、地方都市などでEVを研究している人、中国のEVベンチャーなども視察して回る。
最近は「スモールハンドレッド」などの言葉を生んだ村沢義久・東大教授や外国車ディーラー、中古車販売の大手企業などとも交流が深まり、本田方式の普及で支援を受けることになった。
協力者のひとり、村沢教授は「CO2を排出しないEVは21世紀のメーンストリーム。改造EVの取り組みはその流れを加速する可能性があるし、地域の雇用創出にも大きく貢献するはず」と話している。
昨年9月以降、何度か中国を訪れた本田さんはある自動車ベンチャーの生産現場まで足を運んだ。「広い敷地の工場の周りにさまざまな部品を作る小さな下請けが集まり、熱気や対応力があった。これは侮れないなと思った。日本もEV普及の流れをつくるのは大企業より草の根のベンチャーではないか」。その時の感想を本田さんはそう話している。(10/2/1 日経産業新聞)

>埼玉富士は、軽自動車を電気自動車(EV)に改造し、試乗に成功した。同社創業者の堤朗会長が温めてきた計画で、軽自動車をEVに改造する事業と、EV用電装品の製造、販売の検討に入った。
同社は昨年十二月に「走行距離は短くても安価な『ちょい乗りEV』開発」を打ち出し、堤会長をトップに、従業員十数人で「EVプロジェクト」を立ち上げた。 この事業に新潟県長岡市のEV改造キット販売本田昇さんが協力。ガソリンエンジンを取り外し、本田さんから供給を受けたモーター、スピードコントローラーを換わって装着した。
後部席には十二ボルト電池八基を設置、モーターの電源とし六キロワットのモーターを回す。
改造したEVは八時間フル充電で時速四十キロの場合、連続四十キロの距離を走れる。
試乗ではガソリンエンジンが出す音はなく「静か」と従業員は話す。 今後は公道での試乗で実用化への道を探るほか、軽自動車のEV改造部門や電装品製造、供給部門などを立ち上げる。
堤会長は「改造費用は百万円以内を目標にしている」と価格面でも“エコ”を目指す。(1/19 東京新聞)

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